運が良ければ池に水が張っている景色を見られるため、池山池は「幻の池」とも評されています。
今回は、この池山に登った際の感想や池山池に伝わる伝説などをまとめてみました。
現地で撮ってきた画像を貼ったり、登っている最中の率直な感想を書いたりしていますので、池山池に興味のある方の参考になれば幸いです。
※この記事は室戸市地域おこし協力隊 観光ジオパーク推進課の山本が執筆しています
池山池/池山神社:概要
まず、池山池と池山神社について紹介します。
池山池は、高知県室戸市の池山という山にある池で、その池山池にある神社が池山神社です。
この池山神社は、四国八十八カ所霊場第二十六番札所「金剛頂寺」の奥の院でもあります。
干ばつなどが続くと、地元の人たちは池山を登り、池山神社にて踊りや歌を奉納し雨ごいなどを祈願したそうです。
現在は、秋の神祭が近づく頃に本殿の掃除とご挨拶のために登るくらいと聞いています。
池山池までの道のり
実際に池山をどのように登ったのかを、道のりの感想も交えつつ紹介していきます。
また、この記事を書いている筆者の年齢などは以下のようなものになりますので、そちらも参考にしてください。
- 性別:男
- 年齢:30代
- 登山歴:なし
- その他:歩くのは好き
池山の標高などは以下の通りです。
- 標高:537メートル
- 山頂までの時間:片道約3時間
今回は、地元の方々、国際交流員の人たちと自分を含めた計10名で登りました。
スタート地点~尾根伝いまで
スタート地点は元地区の奥郷集落から。イノシシ避けと思われる柵を抜けて山へ入っていきました。
ここで地元の方が、その辺りに生えていた竹(?)を鎌で刈ると「杖として使い」と渡してくれました。
山登り初心者な筆者は「登山している映像でよく見る杖(トレッキングポール)みたいに使うのか」って感覚で受け取りましたが、正直そこまで登るのに苦戦するだろうか?という気持ちでした。
結果だけ書けば、この杖が無ければ最悪ケガしていたと思います(笑)。
個人的にはスタート地点から30分間はずっとしんどかったです。
池山を登るにあたって事前にいくらか情報は入れていましたが、ここまで険しい道とは考えてもいませんでした。
道中、大きな石がゴロゴロと転がっており、足の踏み場に苦労しました。
そのうえ地面がやわらかく、かなり滑りやすい状態でした(こういう場面で杖が非常に役立ちました)。
スタートから平坦な道はほぼ無く、山の斜面(トラバース)を歩いていくので道幅もかなり狭かったです。
一歩一歩を集中して歩かなければならなかったので、開始10分で息切れを起こすくらいでした。
30分歩いて休憩しましたが、この辺りから「やばいかも」と感じるように。
ただ、地元の方も「今回はペース速いな!」と言っていたので、少しハードだったのかもしれません。
そのような状態が約1時間つづき、ようやくトラバース地帯を抜けて尾根道へと入ります。
尾根道~池山池
尾根道に入ると平坦な道が多くなり、登り・下りも緩やかでした。
ここまで来るとほぼハイキングコースで、一気に登りやすくなります。
周囲を見渡す余裕もでき、自然の景色を堪能できました。
この尾根道も1時間ほど歩きましたが、疲労は一切感じませんでした。
「もうすぐ池山池やぞ」
という声が先頭から聞こえると、急に視界が開け、すぐに池山池が目の前に現れました。
この日は運が良かったのか池に水が溜まっており、池山神社が浮かぶ風景はとても神秘的に思えました。
正面に池山神社は見えるものの、辿り着くには池の周囲を回らなければなりません。
池山神社~下山
水をたたえた池山池に一カ所だけ小島のようなところがあり、そこに池山神社はあります。
木材で作られた橋を渡ると、木製の鳥居と狛犬が。
池山神社を中心に周りを見渡してみると、池の水が反射して輝き、赤とんぼが多く飛んでいました。
時刻を確認すると9時35分ほどでしたので、約2時間半で登り終えたことになります。
ここまで来ると「来て良かったな」と感じました。
そんな余韻に浸っているなか、地元の方々は注連縄を締めたり本殿を掃除したりしていました。
その後全員で拝礼し、しばらく休憩。
大体1時間ほどで池山神社を後にしました。
あとは来た道を戻るだけですが、下りの方が登りよりも難しく、何回か足を滑らせてしまいました。
一歩一歩、足を置く場所に気を付けていたものの、それでも姿勢を崩してしまうくらいでした。
スタート地点に戻ったのが11時30分ほどでしたので、全行程4時間半ほどの登山になりました。
池山を登った感想
登って良かったです。
池に水が溜まり、その上に浮かぶ池山神社はとても神秘的で、それを見れただけでも登った価値はあったと思います。
道のりは確かに険しいものでしたが、それを越えて地元の方が毎年参拝していることを考えると、深い歴史を感じることができました。
また、水が溜まっていないこともあるため「幻の池」とも呼ばれている池山池ですが、地元の方の話だと「ここ7,8年はずっと溜まっている」とのこと。
今度は水が溜まっていない状態の池山神社も見てみたいです。
池山池に伝わる大蛇伝説
長宗我部の時代、池山池を訪れた猟師が鴨を撃ち落とすも、鴨は池に落下。
それを取りに、短刀をくわえ猟師も池に入ります。
その際短刀をうっかり池に落としてしまうと、池の主である大蛇が驚き水柱を上げてどこかに逃げてしまったのです。
主がいなくなった池山池は、その後、水が枯れてしまいました。
この大蛇は、香川県の「満濃池」にまで飛んで行ったといわれ、猟師が短刀を落とした場所は今も草が生えないともいわれています。
まとめ|神秘的な雰囲気漂う池山池と池山神社
水が溜まった池山池と、そこに佇む池山神社は神秘的な雰囲気を漂わせていました。
かつては、干ばつが続けば地元の人たちが歌や踊りを奉納し、現在も祭りの時期が近づくと本殿の掃除と参拝に訪れる歴史ある場所でもあります。
ルートが険しいため、登山初心者は十分に準備をしていく必要があると感じました(特に杖があると〇)。
興味があれば、ぜひご自身の目で「幻の池」を確かめてみてください!
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